應其

高野應其(たかのおうご)のエッセイと小説。

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よねぞうの死8〔第二章〕・四十九日(幽冥界.黄泉)

四十九日(幽冥界.黄泉)

よねぞうが死んで49日が経った。

 四十九日とは、中蔭の間の日数が満ちる日であり、今生の死と未来生との中間で、来るべき報いを未だ感じない間だ。 そして三界六道の生ずる日だ。 その前に極善.極悪でない人が、死んで中有の旅路を越えるという川、これを三途(さんず)の川という。 よねぞうの拙い知識では、川中に三つの瀬があり緩急を異にし、生前の業の如何によって渡る所を異にする。 川のほとりに翁と姥の二鬼が居り、亡者の衣を奪うという。 今日はその四十九日で朝から坊さんが来、親類縁者が集まった。

生前 徳を積んである人ほど、参集する人数が多いはずだ。 期待が高まるではないか。 

ところが肝心の長男鷹丸一家は「遠いミチノクであり、子供たちの新学期が始まり、また勤務の都合等も含め・・」と講釈を並べ立て、あげく「ビデオレターで参詣する」とて、リンゴ一箱といっしょにテープを送って来た。 
夫婦どちらが言い出したか分らないが、しょせんカネがかかるからだろう。

まァ大人数で諸事多難の折り、やむを得ないか! 
宗旨は真言宗だから家の近くの同宗の末寺から、歳の経た坊さんが来てアッと思う間もなく読経が終り、お布施を懐に先程帰って行ったところである。



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