應其

高野應其(たかのおうご)のエッセイと小説。

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よねぞうの死31〔第五章〕・よねぞうの考えごと2

よねぞうの考えごと2


 阿修羅は四大阿修羅で、須弥山(しゅみせん)世界の地下にいる。
ラゴラ阿修羅は大変驕っていて、天上の天女を見たいと思ったが、陽に遮られ手を翳したのが、日食月食の始まり。
勇健阿修羅はその下に居て、人界を滅ぼそうとして竜王を怒らせて地震を起させてしまう。
花鬘(かまん)阿修羅はまたその下に居て、竜王と闘って勝ったが、その上の天使を怒らせたため、すい星を出現させる。
毘摩質多羅鉢呵娑(びましったらはかしゃ)阿修羅王=第四層に居て、最も勢力があり驕りたかぶっている。 
上層の三阿修羅が、諸天と闘って破れて帰ってきたので大いに怒り、直接須弥山上の帝釈天と闘う。 このときが世の乱れる時だ、という。
ところがあるとき、帝釈天に負け捕らえられ縛られながら、悪口雑言を吐き散らすが帝釈天は、
「こいつは無知な口先だけの者だ。 愚者は罵倒するが智者は黙す、それが智者の勝利。 怒りに対しいからないのが最上なるものだ」
修羅場と化した戦場 など、すさまじい闘いの形容詞にも使われ闘争を意とする。
この阿修羅も、最後は仏教では夜叉と竜とともに仏法を守護する八部衆の一人に数えられる。 

ここまで読んできてよねぞうは、
(怒りや闘争 嫉妬 きょう慢 愚痴 煩悩などは分かったが、おれの性格とあまり関係ないわ お地蔵さんに小便をかけただけだし、小心で小欲根性などはその他大半の人も持っている弱点だ。 この世界へなんて合点がいかない。 
 それよりもおせいさんの、ある焦点の合わない不透明な部分にもどかしさが感じられる そのほうが不審だ。 なぜおれはここに居る?)
突き詰めて考えるのが苦手なよねぞう、あくびを漏らしうたた寝を始めた。
そのとき奇妙な短い夢を見た。
まず網膜に写ったのが、前屈みになり右手を口に左手を振り、何か叫んでいるおせいさんのうしろ姿だ。 よく聞くと、どうやらわたしに向って「行ってはいけない・・」と繰り返し 何度も必死に叫んでいるようだ。

(なんや おれここに居るやないか!?・・・)

そこで目が覚めた。 まわりを見回す。 

数分まえと何も変っていない。
           


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