應其

高野應其(たかのおうご)のエッセイと小説。

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よねぞうの死43〔第六章〕・わな3

わな3


 せいは報復といっても単純な、例えば交通事故のような一回限りで、目的の終るような復讐は最初から考えなかった。 相手は生きている限り、挫折や悔恨.懊悩.心身の痛みを、休み無く与えるのだ。

昨年夏、せいは元夫にある謀を仕掛けておいた。 その結果は?

 少壮の法学者として、政府機関関係のある法務研究委員会に名をつらねたり、公的機関の顧問やテレビなどのコメンテイタ-として、いま売り出し中の元夫の名を、間接的に貶めることから始めるのだ。 せいは誠一の家に急いだ。

その夕刻 誠一は家の近くの喫茶店で、東京警視庁から来た捜査官二人を前に話し込んでいた。 中味は事情聴取である。

事件は今年に入って、東京のW大学他で数年前から起っていた、国公機関からの研究費等補助金を巡って、業者等からの長期で大がかりな贈収賄である。

この事件は新聞テレビ等で報じられ、その渦中に数年前から知り合った、所勝三という人物の名前が、取りざたされていたから誠一は大いに関心をもち、ある程度概略は知っていた。 

事前に連絡があったとはいえ、刑事たちの今日突然の接見にとまどいと、かすかな不安感がない混じり、内心落ち着かなくしている。
しかし新聞等の報じている限りでは、この事件は渦中にある所氏や関係者と知り合う以前のもので、誠一との直接関係やからみも無し・・ ただ一つ小さいが気がかりと云えば・・・

それは渦中の所氏に取り持たれ、東京で深い関係になった女性が居ることだ。これがこれからの事件の進展によって自分とどう係わってくるのか・・・


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