應其

高野應其(たかのおうご)のエッセイと小説。

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よねぞうの死57〔第七章〕・脅迫1

脅迫1

週刊誌に暴露記事が載った日から旬日して、東京のK興業の竹内専務から、都内のホテルに呼び出された。

その時は誠一も、女性関係が気がかりなのと、今までにK興業の立て替えてくれた金銭が幾ら位か、できれば会ってきっちり話をつけようと思っていた。 
呼び出しがあった時、わたりに船という気で上京した。

新宿のあるホテルの個室で、K興業の竹内専務と会った。 横に小太りで目つきの鋭い40過ぎの男が同席している。 竹内から「私の個人的な相談役の北島です」と紹介を受けた。

「いや-どうも」
顔を合わすと誠一は、呼び出し事由を聞く前にバツの悪そうな表情で、早速いま話題になって、週刊誌他に書き立てられている贈収賄事件や、誠一の情事関係について、グチのような、また言い訳とも釈明ともつかない言葉を吐く。  
また贈収賄には係わっていない事を、この二人に再確認して貰いたく力説した。それに過去K興業から、東京で世話になった諸々の金銭について、全額払う旨を告げ、請求額を要請した。

この拙速で短絡直截的な申し出に、竹内専務は笑顔で、
「今日来て頂いたのは、過去の当社が立て替えたお金の話ではありません、それはもう忘れて下さい」 

穏やかに云い、ところで・・と言葉を接いで要件を切り出した。

「以前、箱根に行った晩お願いし、そのとき快く引き受けて下さった当社の相談役のこと、ぜひお願いしたいのです」

一瞬誠一は思い出した。 その時の竹内の要望は、 
当社は仕事柄、首都圏だけでなく、関西方面の中には仁侠団体と繋がりを持たざるを得ない時もある。 そんなとき、蔭の相談相手になって貰えないか。 貴方は司法の学究者で知名度もあり、またその方面の知人友人も多いでしょうし、当社の知恵袋として、これからあくまでも表に出ない形で、何かと力を貸して欲しい。 

 これに対して誠一は、その時飲食が過ぎ、有頂天でハイな気分から「表に出ず、蔭からのアドバイスならいつでもどうぞ・・」と、軽く応諾した。

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