應其

高野應其(たかのおうご)のエッセイと小説。

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よねぞうの死58〔第七章〕・脅迫2

脅迫2

 その後しばらくして、W大学の所氏から「K興業は表面上はタクシ-が主業であるが、不動産.それに新宿方面で、遊技.風俗店その他サ-ビス業を手広く営み、どうやらそんな関係で、関東の有力暴力団と関係を持ち、また東上して来た関西の広域暴力団とも、つながりがあるらしい」と聞いた。

 いま改めて逆境になり、自分の立場がはっきりと浮き彫りになると、一刻も早くこの連中と縁を切りたく焦っていた。 ましてや深い闇の連中との深入りは、どんな手段を用いても絶対に避けなければいけない。


「いや 今はもう私には何の力も残っていません、お世話になった過去の清算をしたいので、立て替えて貰った金銭の額を云って下さい」
再度繰り返す。 

すると側に坐って両腕を組んで、二人の会話を聞いていた北島が腕組みを解いて、

「私は以前からあなたの事は聞いていたが、これは少し身勝手な申し出じゃないでしょうか?」

言葉は穏やかだが、声は底力のある、人を威圧するような響きだ

「あなたの男女関係に対する、過去の当社の金銭負担は別として、なるほど今我々が調べられている贈収賄事件と、あなたとは直接関係はないが、私の聞いたところによると・・」

と云って昨年秋、誠一が環境プロジェクトの委員ををしていた時、予算の割り振りに、W大学への口利きめいた事を画策したことを持ち出した。

「いずれ事件の広がりによっては、あなたの係わりも出て来るんじゃないでしょうかなぁ」

竹内が側から「北島さん そんな将来の話を持ち出さないで」と押えておいて、

「どうでしょう、今これと決った事案をお願いしている訳ではありませんが、こんな商売をしていると、表立って動くことの出来ない事柄も多いんですよ。あくまでも表に出ない形で・・」 言葉をついで、

「失礼だが、ちょうど貴方は今回のことで、休職されたと聞いています。 だから以前よりも時間的な余裕ができて、動き易くなるんじゃないですか?!」 

言葉はあくまでも穏やかだが、誠一の現況を知りつくし、足許を見ての強要だ。 そして、立ち入って恐縮だが、収入などの不安は? と聞く。 もし私の申し出を受け入れてくれたら、今後ご一家の生活は全て面倒を見ましょう、と云う。


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