應其

高野應其(たかのおうご)のエッセイと小説。

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よねぞうの死65〔第八章〕・せいの嫉妬2

せいの嫉妬2


よねぞうは公園の中の、この前に会ったベンチでマリ-と再会。 

今日も晴れて爽やかな日和だ。

マリ-の今日の装いは黒いス-ツ姿に、胸に小さな白いバラを挿している。 落ち着いて上品な印象を与える。

この前のいきさつもあるので、よねぞうはあまり私生活に立ち入らないよう気をつけ、当たり障りのないよもやま話しする。 

それでもよねぞうは愉快な気持ちになり声を立てて笑う。 つられてマリ-も歯並びのよい口元を綻ばせる。 約2時間あまり、二人は楽しい会話を交し、また次の日の約束をして別れた。
 
よねぞうは散歩からむっつりした顔で帰って来た。 
心を読まれない為の用心だが、せいは何も云わない。
せいが、この前聞いたカラ-公園の所在さえ知らない振りをしたよねぞうを、うそつき呼ばわりするのは易しいが、公園の中で何をしていたのか?

好色なよねぞうのこと、たぶん早速気に入った女性と交際でも始めたのだろう、あのいそいそと歩いて行った後姿を見れば分る。

せいはもっと確たる証拠か現場を押え、ぐ-のねも言わせないことにしよう。

数日して、よねぞうはまた散歩に出ると云う。 せいは今度も気安く許した。

午後の公園の中は暖かい。 この前と同じ場所のベンチに二人は坐り、よねぞうが世間話を始めようとした時、マリ-はやや緊張したような顔で、ためらい勝ちに、私の過去を聞いてくれるか、と云う。 
よねぞうは頷く。

「わたしはスペインのバスク人なの」
 

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