應其

高野應其(たかのおうご)のエッセイと小説。

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よねぞうの死68〔第八章〕・呼び出し1

呼び出し1

いませいは外出中、留守番をしているよねぞう、ドア-の郵便受けの音で取り出してみると、よねぞう宛の封書。 

差出人はエンマ法王庁とある。

急いで封を切ると、出頭命令書だ。 

理由は「再審議の要あり、本書着次第1ヵ月以内に出頭せよ」とある。

気の小さいよねぞう、出頭・・?
再審議する?
なぜ・・? 
暫くぼ-ぜんとしていたが、せいが帰れば相談しなければと思い、いずれにしても急いで行かなければ。 たぶんせいも一緒に行くと云うだろう、しかし再審理由が分らない。 せいが帰って聞けば分るだろう 単純なよねぞうはそう思った。


午後遅く妻のせいが帰って来たので、早速閻魔庁からの出頭命令書を見せた。
 
とたん、その文字を見るやせいの顔色が変った。 

よねぞうはいぶかしげに妻の顔を眺める。 む?利発なせいならエンマ庁の意図が分るのか?
「なんでやろ?」と遠慮がちに聞く。 せいはそれに返事をせず、あらぬ一点を見つめ考え込んでいる。 

 単純なよねぞうは深読みが出来ないが、せいは瞬時に読み解いた。
せいが思うに、よねぞうはもともと最初から阿修羅へ来るような人間では無いのを、六道選別所で会った時から気づいていた。 だからせいは、群がる亡者の中から選別し、自分と正反対の性格をもつ、この世界に紛れ込んだようなよねぞうを口説いて結婚した。 

何故なら同じ性格、特に怨念.執着.嫉妬心などを持つ者同士であれば、絶対長続きしないだろう。 そうすれば時空を超えた元の人間界へ帰れなくなる怖れがある。 時空の条件はこちらで結婚した者同士しか渡れないのだから。

たぶんエンマ庁は今頃になって、よねぞうの行く道のミスに気づいたのだろう! 
結婚してからずっと怖れていたことが、現実になりつつある予感に包まれていた。 

今までただ、使い勝手のよいと思っていた男との別れが・・・。


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