應其

高野應其(たかのおうご)のエッセイと小説。

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大阪のおばちゃん

長らくお休みをいただいておりましたが、復帰いたしました。
これからは、今まで書きためていたエッセイや新作も含め、公開して参りますので、今後もよろしくお願いいたします。

復帰、第一弾は、エッセイ「大阪のおばちゃん」です。
数年前に書いたものですので、少し、時代差があるかと思いますが、ご了承ください。

「大阪のおばちゃん」

 80年代にテレビで、一般常識から少しはみ出した厚顔な中年女性の日常行動を、月一回「おばちゃん」シリ-ズとして放映、人気番組となっていたのを皆さんご記憶に持っておられるだろうか。
中でも特に大坂弁の集団が凄かった。
また最近特に、それに追い討ちをかける様に、関西の芸人が漫才や落語でよくその言動を誇張して、笑いのネタにしている手合がいる。
それがいつの間にか、「大阪のおばちゃん」とは、大袈裟ではないが、日本女性のなかでも独特の異人種(エイリアン)的実像となって、固定化されつつあるのではないか。 そうであれば誠に残念至極である。

 時々海外旅行に行くが、そのツア-客は北海道から沖縄まで、広域地区から参加している人達が居るので、大阪のイメ-ジを聞いてみると、
なんといっても、話題のエロ知事のセクハラが異口同音、一頻り飛び出してくる。 次が吉本の芸人.たこやき,そして小さな声で『大阪のおばちゃん』という。 
 
 大阪のおばちゃんの特長を、列挙してみると、
 お買い物ポイント.シ-ル.カ-ド等おまけものに異常な執着心を示す。
か、と思うと、訪問セ-ルスマンやテレホンセ-ルのおだてにコロリと参り、衣類、ふとん、生活機器や化粧品に○十万円をいとも簡単に買い決めをする。
改まった外出には「よそ行き」と称し、ありったけ着飾って出てくる。
それではどんなイメ-ジを植え付けたか、少し推測独断も交えた特長は、

   賑やか やかましい けたたましい 声太く大きい
   傍若無人で不作法 厚かましい ケチ 羞恥心なし
   首太い  厚化粧 頭は仏さんヘア- 部分染め

 その他、光ものブランドもの好き、美的感覚アンバランス、マタニティブラウス愛用、二人のときはブ遠慮にネメまわす、三人以上(集団)となれば、ガ然攻撃的。 しかし一人だけのときは、からっきし意気地がない。と、まあこうなるようだ。

 ちょっと待って。 皮相的に観察すれば、そのとおり、そのとおりには違いないが、少し違うんだなあ、これが。 だから弁護したくもなるではないか。
やりましょう肩に力を入れて。自然弁証法的に論じてみよう、おばちゃんの為。
まず、「敵を知り己を知れば百戦あやふからず」、孫子の兵法を持ち出すまでもなく、もう少し、大阪おばちゃんの内面的分析を続けようではないか。

そもそも、この俎上にのったおばちゃんの年令公約数は何歳ぐらいか。 
冒頭に述べたテレビの「おばちゃん」シリ-ズをあざ笑い、怒りながら観ていて「そんなん、なまったるいわ」とセセら笑うのは、だいたい40才前後からか。
 どうでもいいような事に、こだわったり喜んだり、また優越感を持ったりと、とにかく一貫性に乏しい。
バ-ゲンセ-ルの情報をより早くより多く手にいれ、他人に遅れをとるのを嫌い、鼻の頭に汗をのせて現場に駆けつけ、子犬が大急ぎで穴を掘る様に、周りの物をハネ飛ばし、目ざすものを手にいれ、ため息をつきニヤリと笑む。
どうも日頃から着慣れていない為か、金目のもの、光もの、値段の高いものが自分に似合うと錯覚するのか、とにかく賑やかな色彩である。
膨れきった下腹を被すのによい、ムウムウに近いワンピ-ス、首.胴.みみ.手首に輪っぱを巻き、ジュズ玉のれんが歩いているような女性にお目にかかる時が多い。
伝統的に洗練された京都.おしゃれの神戸から50Kmも離れていないのに、色彩と美的感覚が少し違うのは確かだ。 これくらい、おばちゃんの対比分析をすれば十分だろう。
            
長らくお待たせいたしました。
さて、大阪のおばちゃんのため、大いに弁護の論陣を張ろうじゃないか。
 まず長所・・・・総じて明朗、親しみやすく庶民的、単純で涙もろく、情厚い、土着性が強く家族の絆を守り献身的。 多少視野きょうさくの気、無きにしもあらずだが、反権力的な思想が強い。 弱い者にめっぽう味方する判官びいき。
「可哀相やないか」が行動の規範。 どこやら生っ粋の下町江戸っ子によく似ている。 おばちゃんだけではないが、これが時にはヘンな知事を選出する孵化機(インキュベ-タ-)の役目になる時もあるが。
そして、ここがエラい。頼り無い旦那に尽くし叱咤激励。「おばはん頼りにしてまっせ」まるで織田作之助の夫婦善哉。こんなお母ちゃんが、やたら多い。 
最近のキャリアウ-マンのように肩に力を入れ、教養と実力で対等を主張しなくても自然体で確実に主導権を握っている。
 遊び好き、新しいもの、珍なもの好き、何でも取り入れるバイタリティ-
食い道楽・・大阪の喰い倒れ、食の街大阪で旦那に口を譲っているが案外、おばちゃんの食に対するドン欲さは他の都市を圧しているように思う。
TVの料理教室などは所詮、食材や調味におもいっきり金と時間をかけて最もらしく言葉で食べさせているが、大阪は実質さが売り物だ。
お好み焼き、タコ焼き、おでん、うどん、極めて庶民的だがうまい。 休日、たまに名の通った料理屋に行ってみられたい。 フグ鍋など主婦が全て采配を振って、食いまくっている家族のなんと多いことか。

  ここまで書いてきて、やや戸惑っている。
どうもこんな女性像は、大阪に限らず何処にでも居るのではないか? 
 なにもおばちゃん族は、関西圏に限って発生しているのではなく、全国至るところ密度の差はあれ、どこでも見られる原形のような気がする。
 場所柄をわきまえない大声と、特に、笑いを取りたい大阪芸人などが使う下卑た大坂弁が、おばちゃんを実態以上、地方区から全国区に押し上げただけではないだろうか。
その証拠に全国の女性のみなさん、以下の例、ご経験ありませんか?!
「焼肉食べ放題1500円、子供(園児まで)500円2時間以内。但しpm2時~5時まで3割引き」
主婦5人、小柄な小学生も混じって子供5人、アコ-デオンで仕切った一応個室。 大皿肉のお代わり4回、 約1時間で母子全員、胃袋からせりあがってくるほど、たらふく食った。
さて、母親連中、やおらリュックから密閉容器を取り出す。 一人が箸で各皿の残った生肉を1ケ所に集め、頭数・均等に分ける、それを皆手際よく容器に詰める、その速さ、慣れたものだ。
「もうひと皿もらおうか?」誰かが言った。 みなが賛成。 ベルを押して
お代わり注文、係りが出て行ったとき一人の子供が、

「お母さん、しいたけや野菜は持って帰らないの?」

「まァこの子ったら、ハシたないこと言いなさんな、オッホッホ」

「だけど、この前スキヤキのとき、ビニ-ル袋に入れてみんな持って帰ったじゃないの!」

叱られた子供は膨れっ面。

「まァ○○ちゃん、小さいのにしっかりして、大きくなったらいいお嫁さんになるわ」

「そうか、ビニ-ル袋ね」 別の母親が感心したように呟くと、その娘が、

「お母ちゃん、ス-パ-の袋持ってきたわ、これだったら見えにくいよ」

 どれもこれもしっかりしている。
注文した1皿が届けられ、またガヤガヤと大急ぎで分別作業が始まった。
その時「失礼します」音もなく現れた係員。 とたん皆の動作が一斉に硬直。
ドアに向かって正面の主婦、箸で挟んだ生肉を思わず口に運んでいた。

要するにいま貴女が、おばちゃんの二軍.予備兵.幹部候補生を、日夜、キ
メ細かく、ねんごろに教育指導しているのではないだろうか。 
 
(追記) ベスト選び流行りの昨今、‘00年9月12日 日本経済新聞にこんな記事が載った。
関西経済同友会のアンケ-ト調査「関西発.世界に誇るものは・・」
1位 インスタント.ラ-メン  2位 明石海峡大橋  3位祇園祭・・
と続き・・・そこで我らが関西のおばちゃん 堂々49位、 如何。


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