應其

高野應其(たかのおうご)のエッセイと小説。

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よねぞうの死6・夕景・・・ 3

夕景・・・ 3


あほらしく騒々しいので、女房一族の部屋に聞き耳を立てる。 こちらは鷹丸夫婦や、長女夫婦も混じって賑やかだ。

義弟の吉兵衛君が、このあと墓はどうすんの あるの?と問うている。
「親父がむかし北摂霊園に墓買うて、最初からボクの名義にしてあるから心配ないね

皆が 手回し段取りのエエことや と感心している。

「丁度茨木高原ゴルフ場と背中合わせで、夏涼しいけど冬は山路凍結の怖れあるんで、あんまりお詣りでけへんかも」

今から凍寒を引き合いに出して、墓参りのサボリを云っているこの親不孝のバチ当りが・・腹が立ってきた。 長女の晶子が朗らかな唄うような声で

「お父さん酒好きやから、1年ぶんの酒やビール、前の土の中に埋めといたったら年1回でエエやん! あんまりお詣りすると、また何云われるか分らんでー キツイ坂で事故でも起こしたらエラ損や」
  
みながドッと笑う。 こいつも何というバチ当たりめが。 昨日は眼を泣き腫していたのに、と顔をよく見ると なんだ この子はいつもこんな眼をしていたか、と改めて気がつき、昨日悦んだのが損した気になる。


そこで ハタと気が付いた。 大変だ。 昔聞いた嫁のねねさんの言葉だ。  数年前、なんのことか忘れたが、イヤミごとを云ったとき、
「お父さん そんなこと云うてたら 死んだらお墓に入れたりませんよ あれは鷹丸さんの名儀ですからね!」

一瞬絶句したことを、今鮮やかに思い出した。 

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