應其

高野應其(たかのおうご)のエッセイと小説。

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海外研修アラカルト(1)

 私 高野おうごはプロフィールで、趣味について釣り.盆栽.旅行と自己紹介しましたが、その旅行や釣りの体験談もさることながら、同行者の生態や、大変参考になると感じた見聞.事柄を、年月.順不同に並べてみました。

途中ときどき柔らか味(大好きなエロの隠し味)を効かせ、とりとめも無いヒロウ話をいたします。 おヒマな方はどうぞ。
まずはトラベル(トラブル?)から・・・
 
   海外研修アラカルト          
 研修生 I君・・・ロンドンにて
証券研修生としてロンドンシティへ派遣された。
「男子一たび、郷関を出ずれば、いずこで奇禍に遭うやも知れぬ・・・」
先輩・諸兄のねんごろな忠告を守って、現地に着いてすぐ、近くのドラッグストア-へ衛生品(避妊用コンド-ム)を買いにいった。
「ユ-、ジャパニ-ズ?」 「イエ-ス」 
 店主、ウインクしながら笑顔で2ダ-ス渡してくれた。 アパ-トメントへ帰って早速、開けておどろいた。
出てきたスキンは子供の頭でも入る程の大きさ。 現地イギリス人でも特大とおぼしきサイズ。 “ウ-ンこれはなんだ?”
I君、腕組してしばし沈思黙考・・・推理の結論は、
(店のおやじ、浮世絵のファンで日本人の男のサイズは、あの大きさと思っているに違いない)と。
 さて、帰国しI君、私に「お土産です」と言ってこの推論と共に、新品1ダ-スを寄越した。 そしてニヤニヤしながら
「あのう、もし良かったら封切っていますが、あと1ダ-ス・・」 
「あほ-」  
   
   どろぼうに追い銭
U君、国際部に所属し、なかなか有望な人物、実地経験として1年間のヨ-ロッパ研修に出された。
パリ・・アパ-トの1人住まい。 暫くして、留守中ドロボ-に入られてパスポ-トから靴下まで、すっかり盗られてしまった。
届けはしたが季節は早春、まだ寒さが厳しく一段と気が滅入っていた。
丁度そんな時、N生産性本部K支部主催の視察団に参加した、同じ社の先輩15人がやってきた。 その中でK氏はなかなか人の面倒見がよく、親分肌の男、
「パリに国際部のU君が来ている筈だ、一晩見舞ってやろうよ」
皆に声をかけ押しかけたところ、前述のような始末で、しょんぼりしているU君。  「それは気の毒、オイみんな幾らかカンパしてやろう」とK氏以下同情から目一杯奮発して金を渡してやった。 U君は、地獄に仏と大感激。
善いことをしてやったと、K氏ら一行は次なる都市へと発って行った。
U君は貰った金でテレビ他身の回り品を買い整え、やっと落ち着いた。
一週間ほどのち、彼に男から電話があった。
「私は貴方の部屋へ入ったドロボ-の知人だが、好きな日本人と知らずに入ったらしい、意見をしたら当人、大変反省している。ついては、盗った物はみんな返すと言っているから来てほしい」
と時間.場所を言った。
喜んだU君、いそいそと凱旋門の北門へ。 しかしそれらしき人は来ない。 待つこと4時間余り、諦めてアパ-トへ帰ると、このあいだ再び買い整えた家財道具がすっかり無くなっていた。

  うっかり
T証券取引所○○課次長 42才、頭髪まだら、小柄なタイプ、性温良。
証券研修ツア-に参加。 ロンドン.ケンジントンホテルに泊。
本日パリへ移動の予定。 朝6時までにトランクを廊下に出すことになっていたが、寝過ごした。 
飛び起き大慌て、色柄パンツ一枚だけの姿でトランクと共に、自分もうっかりドア-の外へ出てしまった。
後でバタンと閉る非情な音。 さあ頭の中がまっしろ、それからの行動・・
カギ、カギ、・・とにかく合い鍵をと、パンツ姿のまま廊下を走った。 そしてなんとエレベ-タ-に乗って下へ。  早朝のこと。
(どうか下のフロントに着くまで 誰も乗って来ませんように) 
祈りながらボックスの隅で、後ろ向き中腰になり、背中を丸めていた。 
お祈りに反し、6階で止まった。 
首を回すと、ス-ツケ-スを持ったでかい紳士、最初ア然とし一瞬、躊躇したがそれでも乗ってきた。 4階で再び止まって今度は3人。 そっと首を回し見ると、やはり奇異な動物を見るように眺めたが、やはり乗ってきた。
なにやら4人で二言三言話を交していたが一人が含み笑いした。 だんだん笑い声が大きくなって、下へ着く頃には大笑いの合唱となった。 着くと同時に大男達をすり抜け、裸のままフロアを走ってフロントへ・・・係員に言った。
「キイイン.マイアウト キイイン.マイアウト・・・」
 幸いにも、そのとき同じ研修参加者の一人が、朝の散歩から帰ってきて目撃、自分の背広をうしろから、さっと被せてくれたとのこと。
当日の夜、パリのホテルのロビーでこの話を当人から聞いた私、
「なぜ隣室の人か、同じ階の詰め所に行かなかったのか?」と聞くと、
「頭の中がパニックになり、いまでも自分の行動がわからない」と、情けなそうな顔をした。

   暴力バ-
海外研修ツア-(主催.日本生産性本部)
ヨ-ロパ各国をまわって10日目、パリに着いた一行。
花の都・パリの下セ-ヌは流れる・・・夢にまでみたパリ、そのド真ん中。
その当時1米ドル250円の時代だったがまだ懐も暖かい。 同僚だけで11人、恐いものなし。せっかく来たパリの一夜、歓楽街へ繰り出そう、それイコイコ。
 しかし、しょせん気の小さい連中、「飾り窓のおんな」アバンチュ-ルもままならず、あるビルの地下バ-へ衆を頼んで押しかけた。
 十数人で一杯になるような小さな飲み屋。 
 フランスでは、ビ-ルは肉体労働者の飲み物で、注文すればケイベツされる、なんて偏見を聞かされていたし、ワインの銘柄なんて全然判らない。
戦後トリスバ-やアルサロ(なつかしい言葉)で育った連中、
「カクテル」「おれも・・」「俺も・・」右におなじ式に注文、さわがしく陽気にやっていたとのこと。
さて勘定となったとき、日本円でお一人様13万円ほど請求された。 
びっくりして酔いも醒め果てたが、プロレス級のお兄さん4人に出口を塞がれビビってしまい、金を出し合ってやっと出てきた。
ホテルに帰って添乗員に詰め寄った。 なぜ事前に注意してくれなかった かと!(日本人らしい) すると彼は、
「暴力バ-でもワインなら値段はほぼ判りますので、警察へ届けられますがカクテルのようにブレンドされると、値段は相手の言うなり・・・」とのこと。
くやしく癪にさわるが、どうしようもない身からでたサビ。
そこでこの連中、談合した。 
「帰ってもこの事はぜったい喋らないように、固い男の約束!」
しかし、帰国して3日経ったらどこから漏れたのか私の耳へ・・・そこで一緒に行った一人に真偽を確かめた。
「えッ、誰に聞きました?そんなことまで、 う-ん、実は・・」
1週間の間に社内で知らない者はいなかった。 
                             ‘98 4 




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